使用済みレール、打楽器に

近江鉄道が近江高吹奏楽部へ3本提供

 近江鉄道線管理機構と近江鉄道は、近江高校吹奏楽部に、役目を終えた鉄道レール3本を打楽器「アンビル」の部材として提供した。同部顧問の樋口心教諭は「近江の街を長年支え、走ってきたこの鉄道レールを叩き、文字通り『近江の音』を響かせながら、これからのコンクールや演奏会に全力で挑んでいきたい」と話している。

 アンビルは、本来は鍛冶場で使われる鋼鉄製の金床(かなとこ)。19世紀の産業革命期にオーケストラに取り入れられ、楽器として用いられるようになった。舞台上に据えた鉄の塊をハンマーでたたき、鋭い金属音を響かせる。吹奏楽では、形状や材質が似ていることや、美しく鋭い響きが得られることから、鉄道レールもアンビルとして古くから使われているという。

 今回提供されたレールは、長さ30㌢、20㌢、15㌢の計3本。近江鉄道線管理機構が保有するレールを、同部の要望に合わせて切断し、風合いや質感を残す範囲で表面を研磨した。大きさや長さによって音色や音の高さが異なるという。

 取り組みは、樋口教諭が近江鉄道の社員と面会した際、「鉄道レールを切ったものをいただけませんか」と相談したことがきっかけ。

 鉄道レールは摩耗などによって定期的に交換され、役目を終える。近江鉄道は、鉄道資材を廃棄せず地元高校生の活動に活用することで、音楽を通じた地域連携と資源の有効活用につなげる取り組みとしている。

 樋口教諭はレールの提供について「まさかこんなに素晴らしい形で実現するとは夢にも思いませんでした。心から感謝申し上げます」と話している。アンビルは今後、同部が出場するコンクールや定期演奏会などで活用する予定という。

掲載日: 2026年08月13日