ビワマス養殖や温浴施設にも NEDO事業に採択
米原市の伊吹パーキングエリア(PA)周辺で、水素を製造し、地域産業などで幅広く活用する取り組みに向けた調査が始まる。滋賀県、米原市と民間4社が共同で進める計画が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業に採択された。製造した水素を工業分野などで活用するほか、水素製造の過程で生じる酸素や熱をビワマスなどの養殖や温浴施設に生かせないか検討する。
取り組むのは、滋賀県、米原市、関西電力、大和ハウス工業、千代田化工建設、名城ナノカーボンの6者。30日、NEDOの「水素社会モデル構築高度化技術開発・実証事業」の調査事業に採択されたと発表した。
計画では、伊吹PA周辺を対象に、水を電気分解する装置で水素を製造し、地域内で有効活用する仕組みを検討する。
製造した水素は、名城ナノカーボンが手掛けるカーボンナノチューブ(CNT)の製造工程で使用した後、別の用途で再利用し、最終的に水素ステーションへ供給する方法を検討する。一つの用途で使った水素を別の用途でも活用することで、効率的な利用につなげる狙いがある。
水素だけでなく、製造過程で生じる酸素や排熱の活用も調べる。酸素はビワマスなどの養殖、排熱は温浴施設などでの利用を想定。水素と合わせて地域内で有効活用することで、水素の供給コストを抑えられるか検証する。
6者は今年3月、米原市の立地を生かした水素の製造・供給拠点づくりに向け、基本合意書を締結している。米原市は東海、近畿、北陸方面を結ぶ交通の結節点で、こうした地理的な特徴を生かし、内陸部で水素を製造、利用するモデルの構築を目指している。
今回の調査では、関西電力が水素の製造から利用までの全体的な検討と事業性の評価、大和ハウス工業が伊吹PA周辺の施設配置、名城ナノカーボンがCNT製造に必要な水素量や設備規模を検討する。千代田化工建設は水電解装置について調べ、滋賀県と米原市が各種調査に協力する。
6者は調査を通じ、水素を地域産業で活用する仕組みの実現可能性を探り、水素需要の創出や二酸化炭素(CO₂)の排出削減、地域経済の活性化につなげたいとしている。
具体的な設備規模や事業費、実用化の時期などは現時点で明らかにされていない。





