展示資料を回想して
米原市春照、伊吹山文化資料館の歴史資料をモチーフにした京都市立芸術大学大学院1回生・河野沙也子さん(23)の日本画展が同館で開かれている。
同大学はワークショップやロゴマーク作りなどで資料館とコラボしており、河野さんは同館に展示されている戦前、戦後の軍人や女性たちが着ていた服を見て、「今、生きていたら」と連想し、作品を描いた。
日本画材のニカワや岩絵の具を用いた縦175㌢、横220㌢の大作「大好きな母の服を犬のように抱いて寝る」は左側に黒い人物、右側に余白と文字を入れ、対照的なコントラスト。余白の部分で、「過去の人」を描いているという。
絵画の一部が虫食いされたような作品「あまりにも無防備で」など11点を展示。河野さんは「(この時代)生きていた人たちはいなくなってしまったけど、彼らがいた事実を無かったことにしないよう描き留めたかった」と述べ「実際に展示されている資料と見比べてほしい」と話している。
展示は午前9時から午後5時、22日まで。入館料は大人200円、子ども100円。月曜休館。