主催者信じ紹介、インフルエンサーが語る反省

琵琶湖三市同時花火大会をPR、情報確認どこまで

 8月22日の開催を前に中止が発表された「琵琶湖三市同時花火大会」。自治体との調整や花火打ち上げに必要な手続きが確認できない中、開催情報が公式SNSで華やかに宣伝され、イベントやグルメなどの地域情報を発信する複数のインフルエンサーもPRに加わっていた。

 その一人が本紙の取材に、主催者と事前にやり取りし、直接説明を受けた上で大会を紹介していたことを明らかにした。一方、開催日が近づくにつれ不安を感じながら、早い段階でフォロワーに注意を呼び掛けられなかったとして責任を感じているという。今回の一件はSNS時代に発信者がどこまで情報を確認すべきなのか、という課題を浮かび上がらせた。

●DMで花火PR依頼

 インフルエンサーによると、主催者側からインスタグラムのDMで大会のPR依頼が届いたのは今年1月。その後、オンラインでやり取りを重ね、主催者側の人物とも直接会い、大会の趣旨や開催計画、今後の展望などについて説明を受けた。

 話を聞いた当初は「三市で同時にこれだけの規模の花火大会ができるのか」と疑問を抱いていたという。一方、主催者側から大会への思いや計画を聞き、開催に向けた調整も進めているとの説明を受け、PRへの協力を決めた。PRは無償で引き受け、投稿では主催者側から提案されたフォロワー向けの限定特典も紹介した。

 開催に必要な調整についても確認していた。主催者側からは「公的機関と話を進めている」との趣旨の説明があり、後に不安が強まってから尋ねた際にも、必要な許可を得ている趣旨の説明や、著名な花火業者に依頼しているため問題ないとの説明を受けたという。

●7月から募った不安

 不安が強まったのは7月に入ってからだった。開催まで約1カ月となっても具体的な情報が十分に明らかにならず、フォロワーからも開催を心配する声が寄せられるようになった。

 主催者側に状況を確認しても、「協議中」など具体性を欠く説明が続いた。一方、詳細な質問に具体的な回答が返ってくることもあり、どこまで疑うべきなのか判断し切れなかったという。

 8月に入り、長浜、彦根、高島の3市が大会に関与していないことが明らかになると、「正直びっくりした」。それまでの説明から、地元自治体などとの調整が進んでいるものと受け止めていたためだ。

 再び主催者側に確認したが、「最終調整」などの趣旨の説明が続いた。このころには「やめるなら、やめると早く言ってほしい」と願っていたという。

●返金対応、訴える

 大会の開催が不透明となる中、インフルエンサーは「PR動画」を非公開とした。もっと早い段階で花火大会に不確定要素があることを伝えられなかったのか—。自問と反省の言葉をSNSで発信した。

 本紙の取材にも、PRした立場として申し訳ないとの思いを語り、主催者側にはチケット購入者や出店者への返金などにきちんと対応してほしいと訴えた。

 今回の経験を受け、今後はイベントを紹介する際の確認方法を見直すという。主催者の説明だけで判断せず、公的機関に直接問い合わせるほか、花火大会であれば必要な許可が得られているのか、可能な範囲で書類そのものを確認することも検討する。

地域情報誌・サイトも掲載 中止受け記事取り下げ、読者に謝罪

 大会の開催情報はインフルエンサーのSNSだけでなく、県内の地域情報サイトや情報誌にも掲載されていた。中止を受け、掲載した媒体からは記事の取り下げや読者への謝罪が相次いだ。

 県内の子育て世代向け情報サイトは2月、大会を新たな夏の注目イベントとして紹介。その後、主催者によるチケット販売の一時停止などを受け、8月6日に「開催が不透明」と判断し、記事の公開を停止した。中止発表後には、掲載から公開停止までの経緯を説明し、読者に謝罪した。

 彦根市を中心に発行されている生活情報誌も、7月号の花火や祭りを紹介するコーナーで大会を掲載していた。開催中止の発表を受けSNSに「お知らせとお詫び」を掲載し、「情報を掲載した媒体として」、読者に不安な思いをさせたことについて詫びた。

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 公式SNSからインフルエンサー、地域情報サイト、紙媒体へと広がった大会情報。SNSに限らず、地域情報を伝える媒体にとっても、イベント情報を発信する際に何をもって確認するのかという課題を残した。

掲載日: 2026年08月13日