県立大生が木製遊具を設置
県立大学の環境建築デザイン学科と生活デザイン学科の学生でつくる「多賀木匠塾」が長浜産のスギで屋外用の遊具を作り、19日、三田町の空き地に設置した。
多賀木匠塾は多賀町産の木材を利用した環境教育と地域貢献活動の一環で2003年に活動が始まり、地域からの要望に応えるかたちで遊具などを手作りしている。県立大非常勤講師で多賀町の建築士・中西茂行さんが指導し、現在、1〜3年生の107人が所属している。
三田町自治会では公会堂近くに設置していた遊具を老朽化のために撤去したのを機に、多賀木匠塾に遊具の制作を依頼。学生が9グループに分かれて遊具のアイデアを出し合い、1月25日にオンラインで実施したデザインコンペで、自治会役員や子どもたちが「おむすびパーク」と題したデザイン案を選んだ。
19日は学生89人があらかじめ制作したパーツをトラックに積んで三田町を訪れ、公会堂の隣にある空き地で組み立てた。4時間ほどの作業で、三角形のおむすび型の遊具2基が設置され、さっそく地域の子どもたちが登って遊んだり、ブランコに揺られたりして、木が香る遊具を満喫していた。
多賀木匠塾のリーダーの折野このかさん(20)=2年=は「安全性を確保しながら、地域のモニュメントとなるようなデザインとしている。ベンチもあるので、小さな子どもから大人まで幅広い年代の方に使ってもらえる。世代間交流ができる場になれば嬉しい」と話し、草野真弘自治会長(69)は「三田町は米作りを大切にしている。おむすび型の遊具としてもらったことに、繋がりを感じる。ありがたいことです」と喜んだ。
今後も学生が定期的に三田町を訪れて遊具をメンテナンスするほか、公会堂を活用した合宿も計画されており、三田町と県立大学の交流が生まれる機会となった。