フランス団体客、長浜を満喫

福利厚生旅行で来日、新たな誘客の可能性

 長浜市に23日、フランス・パリからの団体旅行客36人が訪れ、長浜城歴史博物館や黒壁スクエア周辺を巡った。円安などを背景に訪日需要が高まる中、フランスの福利厚生制度を活用した団体旅行として来訪したもので、関係者は「継続的な誘客につながる可能性がある」と期待を寄せている。

 団体は京都から岐阜、長野などを経て東京へ向かう10日間の日程の途中で長浜に立ち寄った。

 長浜城歴史博物館では、観光事業関係者らが甲冑姿で出迎え、一行は長浜城を背景に甲冑武者と記念撮影。天守からは琵琶湖や街並みの眺望を楽しみ、その後は黒壁スクエア周辺を散策。曳山博物館も見学し、長浜曳山まつりの子ども歌舞伎など地域の歴史文化に触れた。

 今回の来訪を後押ししたのが、長浜市出身で日本観光振興協会副理事長を務める長谷川豊さん。長谷川さんは、日本政府観光局(JNTO)のパリ事務所長や在フランス日本国大使館一等書記官などを務め、フランスからの訪日誘客に携わってきた。

 長谷川さんによると、フランスでは企業や退職者団体の福利厚生旅行に補助制度があり、「団体旅行を組みやすい仕組みがある」という。

 欧州では、東京—京都・大阪を結ぶ「ゴールデンルート」が一般的で、「長浜を旅程に組み込むこと自体、かなりハードルが高い」とも話す。だが、近年は地方周遊への関心も広がっている。今回は京都から岐阜方面へ向かうルートの途中に、長谷川さんの後押しで長浜への立ち寄りが実現した。

 長谷川さんは「一度コース化できれば、継続的に来てもらえる可能性が高い」と説明。「フランスでは日本文化や歴史への関心が高く、食への期待も大きい」と話した。

 また、「長浜はこれから。街を挙げてインバウンドへの意識を持ってもらえると違ってくる」とし、英語表記の充実や行政支援の必要性にも言及。「子ども歌舞伎など、長浜ならではの文化資源は大きな魅力になる」と期待を寄せた。

 長谷川さんは過去に、ミシュラン観光ガイド日本版で長浜曳山まつりの子ども歌舞伎を紹介した経験もあるといい、「知られていない地域でも、ルート次第で誘客の可能性はある」と話していた。

 また、県はフランスからのインバウンドにターゲットを絞ったプロモーションに取り組み、フランス人インフルエンサーによる滋賀県の紹介をきっかけに、県内を訪れるフランス人観光客は増加傾向にある。湖北地域の旅館経営者からは、「宿泊する外国人客の約1割をフランス人が占めるようになった」との声も出ている。

 一行の長浜での滞在は約2時間。短い時間ながら、ガイドとの会話を楽しんだり、熱心に写真を撮ったりする姿が目立った。関係者は「まずは長浜を知ってもらうことが第一歩」としており、長浜が新たな訪日ルートの一端を担えるか、今後の展開が注目される。

 

 

 

掲載日: 2026年05月25日