ケヤキ寄進で本堂を本格再建へ

小谷寺、2回目のクラファン  工費高騰で

 浅井三代の祈願寺として知られる湖北町伊部の小谷寺(安田学臣住職)は、老朽化した本堂の再建に向け、2回目となるクラウドファンディングを10月2日から始める。昨年のクラウドファンディング後、地元の篤志家から大量のケヤキ材などの寄進を受け、当初より本格的な木造本堂を建てる計画に変更。一方で、基礎や建具などの工事費が膨らんだ。第一目標を1000万円、第二目標を2000万円とし、12月18日まで支援を募る。

 小谷寺は神亀5年(728)開山と伝わり、2028年に開山1300年を迎える。後花園天皇から「如意輪山」の山号を賜り、戦国時代には浅井亮政、久政、長政の浅井三代の祈願寺として信仰を集めた。現在は檀家がおらず、住職や地域住民らでつくる「小谷寺本堂再建プロジェクト」が再建を支えている。

 江戸時代から300年以上使われてきた旧本堂は老朽化が進み、同プロジェクトは2022年から再建に向けた活動を開始。昨年実施した1回目のクラウドファンディングでは、全国の388人から736万円余が寄せられた。旧本堂はすでに解体され、新本堂の建設に向けた準備が進んでいる。

 計画を大きく変えるきっかけとなったのが、1回目のクラウドファンディングを紹介した新聞記事だった。記事を読んだ地元の篤志家が小谷寺を訪れ、「この小さな寺なら材木を全部寄進する」と申し出たという。

 寄進されるのはケヤキを中心とする木材。当初は杉やヒノキを使い、床を設けず土間にするなど、費用を抑えた本堂を想定していた。しかし、約30㌢角の太いケヤキ柱や梁をふんだんに使う計画へと変わった。

 一方、太いケヤキ材を使うことで建物の重量が増し、基礎の強化が必要になったほか、建具も既製品ではなく特注に。堅いケヤキの加工には手間がかかり、大工の施工費も増加した。壁も簡易な仕様から土壁と漆喰に改め、トイレや控室、排水設備なども追加。資材価格や人件費の上昇も重なり、総事業費は当初の約4150万円から約5500万円に膨らんだという。

 新本堂は木造平屋建て、延べ約120平方㍍。瓦葺きの切妻屋根とし、2027年秋ごろの完成を目指す。2028年秋には開山1300年に合わせ、落慶法要を営む予定。

 今回のクラウドファンディングでは、「部材勧進」として支援者の名前を新本堂に残す仕組みも取り入れる。5000円から100万円までの支援コースを設け、床板や格天井、柱、虹梁などに支援者名を記す。一枚一枚に名前を残し、後世まで寄進の記録を伝えるという。

 安田住職は「多くの方に支援していただき、ここまで進めることができた。一緒に本堂を建てましょうという参加型のクラウドファンディングにしたい」と話している。

 小谷寺本堂再建プロジェクト代表の脇坂博さんは、1300年の歴史を持つ小谷寺を地域として守っていきたいとの思いを語り、「地域の者だけではとても力の及ばない大事業」と全国からの支援を呼びかけている。

 詳細はhttps://readyfor.jp/projects/odanijiへ。

掲載日: 2026年10月02日