ながはま歌舞伎、12月公演

三役修業塾生ら出演 公開稽古で成果披露

 「ながはま歌舞伎」の発表会に向け、16日、曳山博物館伝承スタジオで公開稽古が行われた。

 ながはま歌舞伎は長浜曳山まつりの子ども歌舞伎の普及と三役(振付、太夫、三味線)の育成を目的に、長浜曳山まつり推進会議(野坂浩司会長)が企画した。

 発表会は12月1日、長浜文芸会館であり、午前10時半と午後2時から2部ある。今年と昨年の曳山まつりで三番叟役者を務めた家倉壮和さん(長浜小5年)と吉田櫂さん(神照小6年)が「寿二人三番叟」を披露し、三役修業塾で振付などを学ぶ塾生らが歌舞伎「新版歌祭文 野崎村」の「久作住家の場」と「土手の場」を演じる。

 公開稽古では観光客や市民が見学する中、子ども歌舞伎の振付を担当している岩井小紫さんの指導で、役者が所作や台詞、立ち位置などを確認していた。

 「野崎村」は若い男と2人の娘の悲恋を描いた物語。許嫁と丁稚奉公先の娘の心中覚悟の恋に、自ら尼となって身を引く「お光」を演じるのは岩井紫をりさん(33)=本名・山本桂緒莉さん。かつて商店街の店主らが手作りで公演していた「長浜ゆう歌舞伎」の役者に誘われたのを機に、高校生の頃から歌舞伎に魅了されてきた。現在は三役修業塾で振付の勉強に励み、今度の発表会では師匠からもらったばかりの芸名で出演する。

 祝言が決まった喜び、許嫁を追ってきた娘への嫉妬、2人のために身を引く悔しさと悲しさなど、お光の複雑な心情を表現する舞台となる。「恋をする10代の娘の仕草で、『可愛い』と思ってもらえる演技を大切にしたい。一つ一つの所作や体の向きなど、最後まで気を抜けない。名前をもらっているので、その名に恥じないような演技をしたい」と語っている。

 2人で三番叟を披露する家倉さんと吉田さんは「演技がバラバラにならないよう2人で息を合わせ、見る人に感動してもらえるようなぴったり合った舞をしっかり踊りたい」と話している。

 観劇にはチケット(協賛金2000円)が必要。チケットはteket(https://teket.jp/11643/40113)で販売中。曳山博物館でも今月22日から販売する。

掲載日: 2024年09月17日