ながはま割、市外利用4割超

総事業費5億円、35日前倒し終了

 長浜市が国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」5億円を活用して実施した「ながはま割」デジタルクーポン事業(第2弾)が19日、当初予定より35日早く終了した。市は約19億円の消費につながったとして成果を示す一方、利用者の4割超が市外居住者だったことや、LINEを利用したデジタル方式を採用したことによるデジタル格差など、制度設計上の課題も浮かび上がった。

 事業は6月1日に開始。当初は8月23日まで84日間実施する予定だったが、割引原資4億6007万円が上限に達したため、開始から49日間で終了した。

 市によると、対象店舗は940店。参加登録者は13万4181人で、このうち11万6184人が利用し、利用回数は32万4802回に上った。市は割引適用前の消費額を18億9412万円と算出。また、長浜市公式LINEの登録者数は11万4513人から15万9567人へ約4万5000人増加した。

 利用者の内訳は、市内が6万4704人(55・7%)、市外が5万1480人(44・3%)。市民以外も利用対象としたことで、市外からの消費を呼び込む仕組みとなっていた。

 その一方で、観光客らがレジ前で公式LINEに登録し、クーポンを取得した後、家族やグループが1人ずつ個別に会計を済ませる光景も見られた。登録や決済に時間を要し、会計待ちの列が長くなるケースもあった。一部店舗では、混雑による通常営業への影響を懸念し、客にクーポン利用を積極的に案内しなかったケースもあった。

 国の交付金を活用した物価高騰対策では、米原市が全市民に1万円分のギフトカード、彦根市が8000円分のクーポン券を配布したほか、草津市や守山市では現金給付を実施するなど、多くの自治体が住民への直接的な支援を重視した。

 一方、ながはま割は「物価高騰の影響を受ける市内事業者を力強く支援し、地域経済のさらなる活性化につなげる」ことを目的に掲げ、市民以外も利用できるデジタルクーポン方式を採用した。各地域で登録や利用方法を説明する相談会を開くなど利用促進に努めたものの、スマートフォンを持たない人や操作に不慣れな高齢者にとっては利用のハードルが高く、恩恵を受けにくい制度だったとの指摘もある。

 市は約19億円の「経済効果」を事業成果として掲げるが、この数字はクーポン利用時の割引適用前の購入額を積み上げた数値であり、新たな消費がどれだけ創出されたのかは現段階では明らかになっていない。国の交付金を活用した事業として、その効果の検証が待たれる。

 なお、市は交付金を活用し大学生への現金給付を実施しているほか、上下水道料金の減免を予定している。

掲載日: 2026年07月24日