お蚕さんから生まれた「花まゆ」展

文泉堂で籔内さんら展示、1日まで

 蚕の繭を素材にした造花「花まゆ」の展覧会が30日、大宮町の文泉堂で始まった。
 花まゆは名古屋市の酒井登巳子さんが考案した。5~7層になっている繭をうすくはぎ、その形を生かして花びらや葉を作り上げる。あらかじめ染色した繭を使うことでグラデーションのある色合いを生み出している。愛知県内を中心に全国に教室があり、滋賀では長浜市八幡中山町の籔内敬子さん(68)が講師を務めている。
 文泉堂では酒井さんや籔内さん、長浜教室の生徒が作ったバラ、アジサイ、タチアオイ、レースラベンダーなどの造花11点を展示し、長浜の伝統絹織物「浜縮緬」の白無垢やウエディングドレスも一緒に並べている。透けるように薄い花びらが幾重に重なり、気品のある作品ばかり。
 籔内さんは「花まゆを作って20年になるが、長浜で知っている人はほとんどいない。お蚕さんで花を作っているのではなく、お蚕さんに作らせてもらっている。展覧会を通じてお蚕さんの素晴らしさと、浜縮緬の良さを感じていただければ」と話している。
 午前9時半から午後5時、6月1日まで。最終日は午後4時まで。

掲載日: 2025年05月30日