18日から 長浜城歴史博物館で特別企画展
長浜城歴史博物館は18日から、動物をテーマにした工芸や絵画などの作品を紹介する夏休み特別企画展「長浜城夏の動物園〜あつまれ!どうぶつの城」を催す。
新型コロナウイルス感染症の影響で出かける機会の減った市民や観光客、夏休みを迎える子どもたちに、博物館で動物園気分を楽しんでもらおうと、収蔵品の中から選び出した動物に関する資料41件を展示する。
江戸期、坂田郡宮川村(現在の長浜市宮司町)にあった宮川藩の6代目藩主・堀田正民(1791〜1838年)の「子連虎図」(縦157・7㌢、横97・7㌢、絹本著色)は中央に親子の虎を描いている。ただ、3頭の子虎のうち1頭はヒョウ柄。朝鮮で霊獣として信仰されていた虎は江戸時代の動物絵画の主要な画題だったが、当時の日本には虎がいなかったため、中国や朝鮮から輸入された虎の絵や、猫を参考に描かれたとされる。また、ヒョウが虎の雌と信じられていたこともあり、ヒョウ柄の子虎が描かれることとなった。
長浜町神戸(現在の長浜市元浜町)生まれの画家・沢宏靭(1905〜82年)の「兎」(縦130・1㌢、横42・8㌢、絹本著色)はソラマメの花のそばで周囲をうかがう黒いウサギを描いている。ソラマメの淡い緑の葉と白い花に対し、黒色のウサギの存在感が際立つ作品。
明治・大正期に長浜で活躍した名工・西川亮次の「木彫鯉置物」(全長48・5㌢)は今にも泳ぎ出しそうな躍動感ある作品。大正元年(1912)に農商務省商品陳列館に出品し、同省に買い上げられた。ち密に表現した鱗、長短2対の口ひげなど鯉の生体を見事に写し取っている。
企画展のタイトルは今、人気のテレビゲーム「あつまれどうぶつの森」を意識して付け、子どもたちに企画展を楽しんでもらおうと展示資料の解説文は分かりやすい表現を心掛けているという。入館料は大人410円、小中学生200円(湖北地域は無料)。午前9時から午後5時、8月30日まで。
8月1日午後1時半から展示説明会がある。