「菅浦 八朔ジャム」発売

地元有志がミカンの北限地を再生

 かつて「みかん栽培の北限」と言われた西浅井町菅浦の特産ハッサクを通して地域おこしを図ろうと、地元の有志たちが「ジャム」を手作り。地元の観光施設、旅館などで販売を始めた。

 地元の人たちによると、寒さが厳しく積雪が多い湖北地域で菅浦は年間を通して比較的気温が高く、雪も少ない。また、日当たりの良い南斜面もあることから、狭い土地を生かして昭和の初めごろから、柑橘類の栽培がはじまった、とされる。

 作っていたのは夏みかんや温州みかん、ハッサクや七味唐辛子に入れるマミカンなど。6〜7軒の農家で栽培していた。

 「酸っぱいけど、味が濃くて旨い」「日持ちがする」などと好評で、行商人を通して、高島などに届けられていた。しかし、次第に甘いミカンが好まれるようになり、産地の和歌山などに押される一方、村の過疎化や獣害で柑橘類の栽培は衰退していった。


 畑や樹木の荒廃が進み、地元に住む長澤由香里さんは「消えつつある風景と味わいを残したい」と地域おこし協力隊や地元で農園などを営む人ら有志10人を巻き込んで、畑を再生。無農薬、無化学肥料でハッサクの木8本から400㌔を収穫。うち10㌔でジャム100個を生産した。

 「菅浦 八朔ジャム」は種や薄皮などをひとつひとつ手作業で取り除き、果肉とグラニュー糖だけで作った労作。さわやかな酸味とうまみに加え、ほのかな苦味とゴロゴロとした食感が口の中に広がる。パンに塗ってもいいが、クリームチーズやあんと相性がよく、炭酸水やミルクで割ると、大人の味が楽しめる。

 「ジャム作りはみんなの協力でできた」と語る長澤さん。「私たちの暮らす菅浦の手入れを兼業でもいいから続け、規模と生産性を模索しながら、この素晴らしい風景や伝統の生業を残したい」と語っている。

 ジャムは菅浦の割烹旅館「佐吉」、レストラン岬、奥琵琶湖パークウェイで販売している。売り切れ次第、終了。100㌘入り800円。