大阪の大学生、1日10㌔コツコツと
大阪の大学生が竹馬で琵琶湖一周にチャレンジしている。道中、竹馬を購入した長浜市元浜町の竹材工芸店「竹伊」に寄り、店主らから「気を付けて行ってきてね」と背中を押され、元気に長浜を発った。
琵琶湖一周しているのは大阪公立大2年生の豊野陽向(ひなた)さん(21)。今月6日にJR大津駅近くの湖岸を出発し、反時計回りで琵琶湖をぐるりと一周中。リュックを背負って1日10㌔ほどのペースで進み、草津、守山、近江八幡、彦根、米原、長浜などを通過し、17日は高島市に到着した。夜は湖岸でテント泊をしている。
竹馬での琵琶湖一周を計画したのは昨年12月。毎日のラジオ体操や日記など、休みなくコツコツと何かを積み重ねることが好きな性分といい、竹馬で一歩一歩を着実に歩んで琵琶湖を一周することが「コツコツと取り組んだことの証しになるのでは」と考えた。
インターネットで竹馬を探し乗り心地などを確認した上で琵琶湖一周の相棒に選んだのが竹伊の商品だった。「滋賀の店に行き着いたことに、何かしらの運命的なものを感じた」という。
取り寄せた竹馬を使って事前に大阪市内で練習。竹馬の足底をゴムで補強し、反射材を取り付けるなど、琵琶湖1周に向けて改良した。
14日に竹伊を訪れ、土田修司社長(78)と妻の博子さん(77)の歓迎を受けた。「温かく出迎えてもらい、竹馬が壊れることがあったら修理すると言ってもらえた。励みになる」と振り返り、博子さんは「いくつもの竹馬の中から『一番しっかりしている』と、うちの商品を選んでくれたのが嬉しい。体調に気を付けて琵琶湖一周を達成してもらいたい」と話している。
たった1人の琵琶湖一周。「孤独なのであらためて家族や友人の大切さに気付き、テントで宿泊していると普段の生活のありがたみを感じる」と豊野さん。写真交流サイト「インスタグラム」で「竹馬ニキ」(https://www.instagram.com/takeuma.niki.jp/)のアカウントで旅行のようすを発信しながら、25日ごろの大津へのゴールを目指している。