「ブドウを甲良町の特産品に」

脱サラし農家経営、奥川裕史さん

 会社員からブドウなどを栽培する農家へ転身した甲良町横関の奥川裕史さん(61)が今シーズンの収穫を終え、早くも来シーズンに向けた準備を進めている。大手電力会社を早期退職してから約2年。試行錯誤を重ねながら栽培技術を磨き、「甲良の特産品となるようなブドウを作りたい」と意気込んでいる。

 奥川さんは電力会社で技術員と営業職を経験した。農業への関心を高め、2023年4月から休職。県農業大学校の就農科で1年間、農業の基礎を学んだ。24年3月に早期退職し、翌月から農業を本格的に始めた。

 奥川家が所有していた約1500平方㍍の田んぼを活用。会社勤務時の同僚や地元の友人、農業大学校時代の仲間たちの協力を得ながら、かん水整備や配線などを自主施工で進めた。また、長浜市の南浜ぶどう生産組合の中川吉朗さんや県湖東農産普及課の普及員から指導を受けながら、約3年かけて今年8月に一連の整備や栽培を終えた。

 会社員時代の技術員や営業の経験を生かし、畑の整備から栽培、収穫、販売までを進める中で、特に心がけたのが「とにかく手を抜かないこと」。枝の剪定を丁寧に行ったほか、防虫や感染症対策にも力を入れ、品質管理を徹底させた。

 現在、栽培しているのはシャインマスカット36本、大粒の「藤稔(ふじみのり)」18本、赤ブドウ「竜宝(りゅうほう)」6本の計60本。藤稔は栽培が難しく、市場ではあまり見かけない品種といい、竜宝も希少品種として知られる。

 初めて本格的に収穫を迎えた今シーズンは計約500房を収穫。事前予約と甲良町の道の駅せせらぎの里ですべて販売した。

 来シーズンは1000房、さらに再来年以降は2000房の収穫を目標に掲げる。奥川さんは「ブドウは見た目も大事なので、来シーズンは房作りに努めたい」と話した上で「栽培技術をさらに向上させて品質を高め、おいしいブドウを作りたい。そして、シャインマスカットなどが甲良の特産品になればうれしい」と語った。

掲載日: 2026年08月28日