大道芸サークルの先駆け、50〜90代が活躍
神照まちづくりセンターを拠点に活動する大道芸サークル「てるちゃん会」は結成から20年を過ぎた。コロナ禍の影響で昨年以降、発表の機会がほとんどなくなったが、会員が定期的に集い、コロナ後の公演を目指して練習に励んでいる。
大道芸の生涯学習講座を受講した仲間が意気投合して2000年に結成した。神照公民館(現・神照まちづくりセンター)を活動拠点としていたことから「てるちゃん会」と名付けた。今こそ大道芸サークルが各地で活動しているが、当時は県内2番目の結成。代表の廣田滋さん(76)=十里町=は「大道芸サークルの先駆けとして活動し、大道芸を地域に広めた」と自負している。
会員は50〜90代の17人。自治体主催のイベントをはじめ、地域の子ども会、納涼祭、敬老会、学童保育、老人福祉施設など、湖北地域を中心に県内一円に出向き大道芸を披露している。
「アさて アさて アさて さて…、さては南京玉すだれ♪」—。色鮮やかな衣装に身を包み、お決まりの口上に合わせて、すだれを釣り竿や魚、万国旗などの形に変幻自在に操る。大道芸で最もメジャーな演目「南京玉すだれ」は、てるちゃん会の公演の締めくくりを飾る。このほか、手品、腹話術、皿回し、バルーンアートなどを披露している。
多い年では年間100回に迫る公演があったが、近年は40回前後で推移している。結成から20年の節目を迎えた昨年はコロナ禍でキャンセルが相次ぎ、出番は2回にとどまった。記念式典も見送ることとなったが、「お世話になった神照まちづくりセンターに」と、先日、ベンチ1台を寄贈した。今年も公演依頼が入っているものの、無事に公演できるのかは未知数だ。それでも毎月第3火曜にセンターに集い、練習を重ねている。
「楽しかったよ」「また来てね」—。公演先での一言が会員の喜びとなっている。会員の減少と高齢化という課題を抱えるが、廣田さんは「今後も新しい技を取り入れてレパートリーを増やし、新しいメンバーも募って、アットホームな雰囲気でてるちゃん会を継続したい」と語り、最年長の大浜珪子さん(90)=大浜町=は「100歳まで現役で頑張ります」と張り切っている。
てるちゃん会への問い合わせは神照まちづくりセンター℡(62)0265へ。