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映画を憎まず   2019年 3月 15日

 俳優のピエール瀧容疑者がコカインを使用したとして12日、逮捕された。2013年の映画「凶悪」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞し、最近では「日本で一番悪い奴ら」「アウトレイジ最終章」「孤狼の血」での出演が印象に残っている。
 「やくざ映画」には欠かせない役柄であり、個人的にその演技を気に入っていただけに、今回の逮捕は残念でならない。
 コカインは映画やドラマによく登場する。ストローや丸めた紙で白い粉を鼻から吸うシーンだ。ピエール瀧が出演している映画に、そういうシーンがあったのかは記憶にはないが。
 過去には元プロ野球選手の清原和博、歌手のASKA、酒井法子、アーティストの槇原敬之らが覚せい剤取締法違反で逮捕されている。我々の日常生活では出会うことのない麻薬や覚せい剤が芸能界の華やかな世界では手の届くところにあるのではないかと勘繰る。
 さて、逮捕後の気になる動きに、瀧容疑者の出演する映画やドラマの放映、DVDの販売などを見合わせる動きがあることだ。過去にも俳優が逮捕された際には、出演作品がお蔵入りになったり、撮り直しが行われたりしたが、過剰反応ではないだろうか。
 実際に映画監督や制作現場からは「過去作まで封印するのは過剰反応」との批判の声が上がっている。「罪を憎んで人を憎まず」という格言があるが、犯罪は糾弾されたとしても、その作品には罪がない。映画や音楽はリリースされた以上、社会で共有される文化的資産であろう。それが業界の自粛によって姿を消すことに大いに違和感を覚える。

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過去のコラム

重要無形文化財「歌舞伎」保持者に認定   2019年 3月 15日


重要無形文化財「歌舞伎」保持者に認定

神前町出身の三味線奏者・豊澤長一郎さん
 神前町出身の三味線奏者・豊澤長一郎さん(43)=本名・西邑晃一、横浜市在住=が伝統歌舞伎保存会の会員として重要無形文化財の保持者に認定され、先日、歌舞伎座で認定書の伝達式が行われた。幼少から父母の指導で剣舞に親しみ、長浜曳山まつりで三番叟を舞い、三役修業塾で三味線を学ぶなど、長浜で伝統芸能の素養を育んだ。目下、京都南座で開催中の坂東玉三郎特別公演のため神前町の実家から通っている豊澤さんに話を聞いた。
 伝統歌舞伎保存会は歌舞伎に携わる俳優、竹本(太夫・三味線)、長唄、鳴物、狂言作者のうち、舞台経験20年以上の技芸優秀な者だけが選ばれて会員となれる。会員に選ばれると同時に、文化庁の重要無形文化財保持者に認定される。
 豊澤さんは剣舞・歌謡舞の「光粋流舞道」を主宰する西邑光粋さん(72)=本名・正光=の長男で、幼少から剣舞に親しみ、長浜曳山まつりでは開幕を祝う三番叟役者も務めた。高校1年の時、光粋の勧めで長浜曳山まつりの三役(振付、太夫、三味線)を育成する三役修業塾に入塾。「最初は無理矢理行かされて嫌でしたが、三味線を弾いているうちに男性的で重厚な音に魅かれました」と当時を振り返っている。高校3年生の時には三味線奏者として長浜曳山まつりのアメリカ公演に帯同し、現地で剣舞も披露した。
 高校卒業後、「子供歌舞伎伝承委員会」で委員長を務めた原田良策さん(故人)の強い後押しを受けて上京。国立劇場で2年間、三味線の研修を受けた後、21歳で松竹と契約を結んだ。「剣舞の全国大会で優勝していましたし、父の跡を継ぐつもりでいました。剣舞以外の道はないと考えていましたが、原田さんの後押しが大きな転機でした」。
 1997年に近松座の「曽根崎心中」で初舞台を迎え、99年には大舞台が舞い込んだ。歌舞伎座「奥州安達原」で大役が病気のため出演できなくなり、公演当日朝に、急きょ代役に抜擢された。かつて三役修業塾で親しんだ演目だったことから、無事に代役を務めあげ、歌舞伎座賞を受賞した。
 以来20年間、三味線奏者として歌舞伎の舞台を踏み続けている。公演は年間10カ月以上で、毎月、異なる演目を演奏する。これまでに玉三郎さんをはじめ、片岡仁左衛門さん、松本白鸚さん、市川海老蔵さん、松本幸四郎さん、中村勘九郎さんら名だたる役者と共演を重ねてきた。
 人気漫画「NARUTO―ナルト」を原作とした新作歌舞伎の作曲と演奏を担当するなど、活動の幅も広がっている。目下、京都南座で公演中の坂東玉三郎特別公演(2~26日)では「檀浦兜軍記 阿古屋」に出演。「絶対にミスが許されない舞台で、毎日が初日のような緊張感があります」と語る。
 20年を超える芸歴と舞台での活躍が認められ、伝統歌舞伎保存会への入会と重要無形文化財保持者認定が決まった。「国立劇場竹本研修の1期上の先輩で、三役修業塾で一緒に三味線を習った豊澤勝二郎さんも認定されました。長浜から2人も認定されたのは曳山まつりと三役修業塾のおかげ」と語り、「将来的には三役修業塾の指導に携わるなど、長浜の伝統芸能のすそ野を広げるお手伝いができれば」と話している。
 「剣舞で研ぎ澄まされた感覚や礼儀が舞台でも生かされている。両親の厳しい指導に感謝します」と語る豊澤さん。光粋さんは「よくぞここまで成長してくれた」と語りかけていた。


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蒲生で竹内孝回顧展   2019年 3月 14日


蒲生で竹内孝回顧展

稲葉町出身の現代美術家
 稲葉町出身で約30年にわたり毎朝の奧びわ湖を描き続けた鬼才の現代美術画家・竹内孝(1909~96年)の回顧展が21日から東近江市市子川原町の蒲生コミュニティーセンターで開かれる。
 ほとんど無名の作家で没後初めて長浜市内の喫茶店でミニ作品展が開かれたが、今回は初の本格的な展覧会となる。旧蒲生町出身(東近江市)で戦前の帝展特選作家、野口謙蔵(1903~44年)の弟子だったことから、同センターが顕彰事業として企画した。
 展示は、琵琶湖の虹を描いた油絵やスケッチなど約50点で、野口の作品も一部紹介する。
 竹内は画家を志して上京し、野口の帝展特選作品「閑庭」を見て感激。弟子なろうと帰省した。野口謙蔵は旧蒲生町に住み弟子を取らなかったが強引な「押しかけ弟子」になり画業に専念した。しかし、野口の死でいったん画家への道をあきらめ、制作を再開したのは約20年後。その頃になると、野口作品とは異なる激しいタッチの現代美術作品へと進化していった。制作活動は日々の仏道修行と考え、絵は売らずに終生貧しい生活を送った。野口は臨終の枕元で竹内に「君は僕を越えた」と讃えたという。
 同展を企画担当した同センターの田中浩主任(63)は「野口がもっと長生きしていたら、弟子の竹内孝のような現代美術の作風になっていただろう。絵の中に伝わる師弟の高い精神性を見てほしい」と話している。同展は31日まで。入場無料。問い合わせは同センター☎0748(55)0207へ。


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