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衆参同日選の見送り   2019年 6月 11日

 安倍晋三首相は任期満了に参院選に伴う解散・総選挙をぶつける衆参同日選を見送る方針を固めた。これにより、参院選は公職選挙法の規定により7月4日公示、21日投開票の日程で行われる。
 自民党内では同日選とすることで選挙運動の相乗効果が期待できるうえ、共闘を準備する野党が衆参で分断される可能性があることから「解散風」を吹かせていた。安倍首相がどの程度、解散に傾倒していたのかは不明だが、解散の憶測を否定しないこれまでの発言は、常に政権運営を有利に進めたいという自民党総裁としての願望を念頭に置いてのことだろう。
 前回の衆院解散は2017年9月だった。議員任期4年の半分も経過しないうちに衆院を解散するにはよほどの大義が必要だが、今のところ解散すべき大義は見当たらない。
 一部に消費税率10%への引き上げを延期して国民に是非を問うという観測もあったが、すでに小売店などが増税への準備を進めていること、「リーマンショック級」の事態が起こっていないことを考えても、安倍首相に増税を延期する理由はない。
 首相の持つ解散権は「伝家の宝刀」などと呼ばれる。「家に代々伝わる大切な刀。転じて、いよいよという場合にのみ使用するもの。切り札」と辞書にあるが、歴代内閣のほぼすべてが宝刀を抜いている。
 戦後の衆院選は24回あったが、任期満了は1976年の1回きり。この時は、田中角栄前首相がロッキード事件で逮捕された影響により、自民党内が分裂。三木武夫首相が事態を解消するために解散権を行使しようとしたが閣僚に反対され断念。そのまま解散権行使のタイミングを失い任期満了を迎えたという顛末だ。
 その他の23回はすべて、首相が解散権を行使している。「死んだふり解散」(1986年)、「郵政解散」(2005年)などのネーミングが有名だが、直近の「国難突破解散」(2017年)は党利党略そのものだった。内閣改造から約3カ月の解散で「解散権の濫用」との批判が渦巻き、有権者は気乗りしないまま安倍政権継続の是非を問われた。
 本来、解散というものは、大きな政治問題に直面して議会内の意見対立が激化した場合などに、国民の意思を問うために行うべきではないだろうか。選挙によって選ばれた議会を解散するのであれば、国民を納得させる理由が不可欠だ。
 国民の関心を抱くような重大な政治対立がないにもかかわらず、もし、安倍首相が解散・総選挙による衆参同日選挙に踏み切っていれば、国民不在の党利党略と誹られていただろう。ただ、大義を持たない解散が観測や憶測として流れるのは、野党が国民の支持を得られず、安倍政権批判の受け皿になれていないという背景もあるのではないか。解散によって政権交代が起こる可能性がないからこそ、伝家の宝刀を抜きやすい、と。
 安易な解散を制約する仕組みが欲しい。

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過去のコラム

「総おどり」楽しみませんか?   2019年 6月 11日


「総おどり」楽しみませんか?

7月27日、参加者1000人を募集
 懐かしの「長浜総おどり」をメインイベントとする「長浜なつまつり」が今年も7月27日、長浜市の中心市街地一帯で開かれる。長浜商工会議所や商店街など16団体で組織する実行委員会では、総おどりの出場者の募集を始めた。
 総おどりは、琵琶湖の恵みに感謝を捧げる「びわ湖まつり」の協賛イベントとして1974年に始まった。長浜駅前通りを歩行者天国にして太鼓やぐらを設置し、橋幸夫さんの「長浜おどり」や、伝統の「江州音頭」に合わせ、企業や自治会などの団体、一般参加の市民が踊った。夏の定番イベントとして市民に愛されていたが、年々踊り手が減少し、93年に幕を降ろした。
 2016年、夏の風物詩「長浜ゆかたまつり」の後継イベントとして23年ぶりに復活し、今年で4回目を迎える。当日は午後6時半から8時にかけて、大通寺門前のながはま御坊表参道や大手門通りなどの商店街を時計回りに行列をつくって踊る。
 主催の実行委員会では参加する団体、個人を募集中。先着1000人に記念品をプレゼントする。踊り方の事前講習会が7月16日午後7時から長浜西中体育館、19日午後7時から市民交流センターで開かれる。申し込みは事務局の長浜商工会議所青年部のホームページなどで。問い合わせは商議所☎(62)2500へ。


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「失敗の中にヒントある」   2019年 6月 10日


「失敗の中にヒントある」

山中教授講演、マイiPS構想も
 京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が7日、長浜文芸会館で講演し、市内の中学、高校生ら約450人にiPS細胞の特徴を分かりやすく紹介した。
 山中教授は人の皮膚の細胞に4つの遺伝子を組み合わせることで、ほぼ無限に増やせ様々な細胞に変化する人工多能性幹細胞「iPS細胞」を開発。2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
 講演は長浜市と京大医学研究科が連携して実施する市民の健康追跡調査「0次予防コホート事業」を支援するNPO法人「健康づくり0次クラブ」が主催し、地域の中学、高校生らを招いた。
 山中教授は講演でiPS細胞の持つ機能と再生医療への応用を解説し、網膜再生・治療などの実例を紹介。将来はパーキンソン病やがん、糖尿病などにも応用できるとした。
 人の皮膚から細胞を採取し、iPS細胞を培養して移植するまでには品質検査などに莫大な時間とコストが必要なことから、拒絶反応が起きにくい細胞を持つ「スーパードナー」から作り出したiPS細胞をあらかじめストックする取り組みが進んでいるとした。そのうえで、2025年を目標にそれぞれの患者に合致するiPS細胞をストックする「マイiPS細胞」構想を掲げ、「100万円程度で提供できるようにしたい」と語った。
 また、「日本は長寿国だが、健康寿命は短い。健康寿命を延ばすために、私たちのような研究が非常に大切」としたうえで、「研究者だけでは限界がある。皆さんがしていただいている0次コホートが大切」と話しかけていた。
 出席者からの質問にも答え、「研究がうまくいかないことがある。解決しないときは、どういう視点で解決策を見つけるのか」との高校生の質問には「実験というものは、うまくいかない。10回やって1回うまくいったら良い方」と前置きし、「失敗を恐れない。失敗して当然。失敗の中に自分の気付いていなかったヒントがある。失敗をチャンスととらえて欲しい」と呼びかけていた。


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